お知らせ

ホーム > お知らせ > たむらの稲作情報 第4号

稲作情報 2019.06.07

たむらの稲作情報 第4号

稲の生育、ほ場、用水の条件を確認のうえ、中干しをしましょう。

1. 6月下旬頃から、中干しと溝切りを行いましょう!

(1)中干しの効果

ア 生育を抑え、茎数過多を防ぐ。

イ 葉の垂れを防ぎ、受光体勢を良くする。

ウ 根張りが良くなり、倒伏しにくい体質にする。

エ 土壌中に酸素を供給し、還元状態で生成される有害成分を除去して、根張りを良くする。

オ 土壌が固められるため、倒伏が防止され、収穫能率が向上する。

(2)中干しの時期

開始時期:必要茎数の目安である450~500本/m²を確保できた頃に開始します。(例:60株/坪植えでは、茎数は25本/株)
終了時期:出穂の30日頃前を目安に、終了します。

(3)中干しの程度

・茎数が多い・葉色が濃い・水持ちがいいほ場
→表面に1~2cmの割れ目ができるまで干します。

・茎数が少ない・葉色が淡い・水持ちが悪いほ場
→表面に細かい割れ目が現れるまで軽く干します。

(4)中干し後の水管理

・中干し後に急に湛水状態を続けると、酸素不足で根腐れを起こします。

・中干し後の初めは、土を湿らす程度の走り水とし、3~5日かけて間断かん水または飽水管理を続けます。

※飽水管理:常に足跡や溝に水が溜まっている状態を続ける管理。
※中干し初期に「溝切り」をしておくと、田面の硬化や、水入れ、排水管理も極めて容易となります。

コラム ―昔は土用干しを行っていたー
7月中旬の土用の期間に田面を干すことを「土用干し」と言います。
昔の品種は、8月下旬頃に出穂したのでこの時期の作業がイネの生理と合っていま した。しかし、現在の品種や栽培方法では、「土用干し」をすると、幼穂が生長する 時期に養分吸収の抑制や、断根を受けることになるため、減収や品質低下を招く恐 れがありますので、注意してください。

2.葉色を見ながら、適期に適量を追肥しましょう!

(1)追肥と食味について

・施肥窒素が増加すると米のタンパク質含量が増加します。米のタンパク質含量率が増えると、炊飯の外観、味、粘りが悪化します。

・米のタンパク質含量率は低ければよいというわけではありませんが、過剰な追肥は食味の低下を招くため、適量の施肥を行いましょう。

(2)適期・適量の追肥(速効性肥料を用いている場合)

葉色や草丈を目安にして、穂肥を実施しましょう。

・追肥を行う場合は、下記の表を参考にしてください。稲の姿を確認し、量・時期を調整しましょう。

・穂肥の時期より前に、明らかに葉色が淡くなったほ場では、穂肥の前にチッソ成分1kg/10kg程度でつなぎ肥を施用します。

表 穂肥の時期と量の目安

品種 葉色(カラースケール) 施肥時期 チッソ施肥量
kg/10a
出穂期の平年値
(過去5か年平均)
平年の施肥時期
ひとめぼれ 3.5~4.0 移出穂25日前 2.0 8月3日(小野) 7月10日
チヨニシキ 3.5~4.0 移出穂25日前 2.0 8月5日(常葉) 7月12日
コシヒカリ 3.0~3.5 出穂15日前 1.5~2.0 8月8日(三春) 7月27日

3.紋枯病の対策を実施していますか?

・前年発生が多かったほ場では、翌年も発生しやすいことから、薬剤による防除(モンガリット粒剤(出穂28日〜14日前)、リンバー粒剤(出穂30日〜10日前)等)を行いま しょう。

4.イネドロオイムシの追加防除について

・イネドロオイムシの発生が多いほ場(1株に幼虫が10頭以上)では、追加でいずれかの薬剤を散布しましょう。
スミチオン粉剤3DL/MR.ジョーカー粉剤DL/トレボン粒剤

5.冷害対策について

・近年、冷害による不稔は発生していませんが、幼穂形成期から出穂までは、天気予報に留意し、最低気温が17°Cを下回るような場合には、幼穂の生長に合わせた湛水管理を行いましょう。

・あらかじめ、10cm程度水を張っておくと、冷害回避に効果があります。

〜農薬はラベルをよく読み、正しく使いましょう!〜

葉いもちの伝染源となる置き苗は今すぐ撤去しましょう!!

前のページに戻る

ページトップ