ホーム > お知らせ > たむらの稲作情報 第2号
温度・水管理に留意し、健苗を育成しましょう。特に、日中の高温に注意しましょう。
1. 育苗
・葉色が淡くなった場合、窒素成分で1.0g/箱程度の追肥を行います。
・苗の追肥は、田植えが予定より遅くなるなどして苗の老化が進む場合にも有効です。
(例)硫安100倍液を500ml/育苗箱 かん注します。 育苗箱20箱あたり硫安100g、水10リットルになります。
※追肥したらすぐに軽くかん水し、葉に付着した肥料分を落としてください。
2.代かき
・代かきは、稲わらや発生した雑草を土壌に練り込むために、浅水で行いましょう。
・代かきを浅水で行うことで、稲わらや早期に発生した雑草の浮き上がりを防止することが できます。
・入水前に畦や水尻等をチェックし、漏水がないようにしましょう。
※浅水代かきは、渇水時の水資源の有効利用にも繋がります。
3.田植え
・田植えは、低温や強風を避けて行いましょう。
・【栽植密度】品種や地域に適した適正な栽植密度を設定しましょう。
例)ひとめぼれ、チヨニシキ:60~70株/坪 コシヒカリ:60株/坪(茎数が確保しやすいほ場では50株/坪も可)
・【植付本数】1株当たり3~4本 ・【植付深】2~3cm
※栽植密度、植付本数、植付深は、それぞれ移植後の水稲の生育に大きく影響します。
※穂数減が収量減に繋がっているほ場では、栽植密度等を再確認しましょう。
4.除草剤の散布について
(1)散布時期
・初期剤や初中期一発剤はラベルに「ノビエ○○葉期まで」と記載されています。
除草剤は生育の早いノビエの葉令を基準に処理しましょう。
・記載のノビエ葉期の0.5葉分早い時期までに使用すると効果が安定します。
・雑草は、植代後から発生し、気温が高いと葉令進展が早まります。
ノビエの葉令進展の目安は表(裏面)のとおりです。
農薬はラベルをよく読み、正しく使用しましょう。
表 ノビエの葉令進展
ノビエ葉令 | 植代後からの日数 | ||
---|---|---|---|
発生始め | 2.0葉期 | 2.5葉期 | |
発生の早い年 | 7 | 11 | 13 |
平年 | 8 | 15 | 18 |
※ほ場内の生育の早い個体の生育を表します。
(2)水管理
・湛水散布の除草剤は、水管理次第で効果が大きく変わります。
・除草剤散布前に漏水がないか確認し、しっかり湛水しましょう。
・除草剤散布時は、止め水とし(足し水はしない)、自然減水により田面が露出したら、緩 やかに入水しましょう。
・除草剤散布後7日間以上は止水管理を行い、落水や掛け流しは行いません。
5.田植え後の水管理について
(1)浅水管理
・活着後は日中3~4cm の浅水で止水し、日中の水温上昇を図り、有効茎の早期確保に努めましょう。
(2)土壌還元対策
・田に入ると泡が出たり、臭いニオイがしてイネの生育が悪い場合には、間断灌漑や3~4 日間落水し、ガスを抜きましょう。
(3)藻類・表層剥離対策
・藻類や表層剥離は、繁茂すると、水温を下げる、イネに絡みつく、苗を押し倒すなどの害 を与えます。
・藻類や表層剥離の発生が多い場合は、落水して田んぼを干すか、または、専用剤(モゲト ン粒剤)の散布を行いましょう。
6.カメムシ被害対策について
・田村地域では、近年、斑点米を引き起こすカメムシ類の発生が多くなっています。
・雑草は、カメムシ類の生息場所となるので、水田畦畔の草刈りを計画的に実施するとともに、水田内の除草も徹底し、水田に誘因しないようにしましょう。
・散布剤による薬剤防除は,出穂期の7~10日後(乳熟期)とその7日後の2回実施が基本です。
・本田防除が難しい場合は、カメムシ類に登録のある箱処理剤を活用しましょう。箱処理剤を使用することにより、乳熟期(1回目)の防除 を省略できます。