葛尾村で牛に加え羊(メン羊)の飼育する㈱牛屋の代表を務める吉田健さんは、ブランド羊肉「メルティシープ」で高付加価値化に挑戦し、メディアやふるさと納税の返礼品として注目を集めています。国産羊は生産量が少なく、農水省のデータによれば2022年の羊肉の国内生産量の割合はわずか0.5%にとどまっており、非常に希少です。
 吉田さんは、父親が経営する黒毛和牛を飼育する会社で18歳から和牛の生産技術を学び、東日本大震災後に同村での営農再開を決意しました。現在、吉田さんは獣医師の奥さんや娘さんをはじめとした若手従業員9人と共に、和牛約350頭と羊100頭の肥育に取り組んでいます。
 「メルティシープ」の羊毛ケラチンを使用した保湿クリーム「VALOMETZ(ヴァロメッツ)」が、2024年8月下旬から販売を開始し、約1万個を売り上げています。このクリームは、アルコールや添加物を使用していないため、敏感肌の人や1歳以上の幼児にも使用可能です。また、「ハラル認証」を受けているため、イスラム教徒も安心して使用できます。保湿クリームは、ふるさと納税の返礼品や、同村の復興交流館「あぜりあ」にて1個(50g)1万1000円(税込)で販売されています。
 吉田さんは「メルティシープ」の羊肉だけでなく、羊毛を活用した新たな商品開発にも力を入れており、地域の特産品としての価値を高めています。
 今後、吉田さんは「震災復興関連で村のお客さんが訪れた際に、見学先の一つとして多くの人に来てもらいたい」と語り、土地に根付いた産業を作り上げていく意欲を示しています。

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