
環境に優しいピーマン生産目指し 天敵農薬、環境測定装置の導入試験
当JAたむら地区ピーマン専門部会青年部は5月28日、環境に優しいピーマン生産を目指し、田村市大越町の新田浩さんの圃場で「グリーンなサポート事業現地勉強会」を開きました。
同部会は今年3月に「グリーンなサポート事業協議会」を設立。グリーンな栽培体系加速化事業を利用し、農薬の削減など環境に配慮した栽培技術の導入やスマート農業を活用した栽培管理の実証を進めています。
同事業では生産者3人の圃場に試験区を設定。天敵農薬や環境測定装置の導入に向けて、産地に適した栽培技術を調査・検討し、「グリーンな栽培体系」への転換を加速させます。
勉強会には、同部会員、JA全農福島、カネコ種苗㈱、株式会社farmo、石原バイオサイエンス㈱、アリスタライフサイエンス㈱、当JA職員など約30人が参加しました。
株式会社farmoの職員は環境測定装置について、実際にハウス内に設置しながら使い方や注意点、設置場所等の説明を行いました。この装置(ハウスファーモ)は、気温や湿度、土壌水分などハウス管理に必要な9つのデータを1台で計測できます。いつでもどこでもスマートフォンのアプリでデータを確認でき、5分間隔で情報が更新されます。
また、アリスタライフサイエンス㈱、石原バイオサイエンス㈱の職員が天敵昆虫の活用と放飼について、実践しながら説明しました。天敵である虫を使用して害虫を対処する方法で、化学農薬の使用頻度を減らすことができ、そこにかかる労力を軽減できます。害虫の見方や農薬使用時期の目安等も解説しました。
参加者は「スマートフォンで情報が確認できるため、何度もハウスに行く手間が省け、軽労化に繋がる。是非、導入してみたい」「天敵農薬を使用することで農薬を減らせるのはとてもよい」と話しました。
今後も生産者、田村農業普及所、JAが一体となって栽培管理の実証や調査を行い、来年1月にはマニュアルの配布と公表を予定しています。ピーマンのハウス栽培環境をモニタリングし、データを解析することで、環境測定装置の導入を視野に入れ、安定した生産につながる技術として普及を目指します。