都路の魅力感じる自作キャンプ場 「里山の見える丘公園キャンプ場」

 東日本大震災で避難指示区域となった田村市都路町の坪井久夫さんは、避難指示が解除された後、いち早く帰還し営農再開に取り組みました。
 営農を再開した当時、イノシシは避難前よりさらに頭数が増え、行政の補助事業を受けながら電気柵を設置するなど、食害対策に力を割きました。
 一方で、関東圏からボランティアに来てくれた人たちと桜の木を60~70本植樹し、年に1回お花見を開くなど、震災によって生まれた人とのつながりもありました。「一番に帰還したからこそ、それまではなかったつながりができた」と坪井さんは振り返りました。
 現在は、米5.5㌶、トマト10㌃の栽培に取り組む傍ら、一から手作りしたキャンプ場「里山の見える丘公園キャンプ場」を運営しています。
 キャンプ場は、山を切り拓くところから坪井さんが一人で行いました。農作業の合間に行うため、キャンプ場づくりがはじまるのは夕方以降。ライトで周囲を照らしながら、毎日午後10時まで取り組み、整地するまでに約2年の歳月を費やしました。その後、「いこいの場」や天文台などを順次建てていき、2022年から運営を開始しました。
 キャンプ場は、震災後から今までの恩返しの意味を込めて、サイト利用料は無料にしています。一日一組限定のため、ソロキャンパーからも重宝されています。
 キャンプ場では四季折々の生き物や植物を楽しむことができ、特に、4月中旬に見ることができるホタルは都路町の中でも希少です。
 坪井さんは「キャンプをきっかけに、都路に魅力を感じ、若い人にも就農してもらいたい。今年から息子も新規就農したので、次世代につなげていきたい」と話しました。

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