
省力化を図り後継者づくりへ 節水型乾田直播の作業実演
田村市滝根町で先行して節水型乾田直播栽培に取り組む遠藤良一さんは5月14日、同地区で導入に向けて試験を始める吉田正義さんの受託圃場で作業実演会を開き、生産者、福島県、田村農業普及所、当JA、スガノ農機㈱など関係機関から約20人が参加しました。
この栽培方法は、畑状態の水田に直接種もみを播種し、出芽が揃った後に入水する栽培方法。育苗や代かき作業が不要で、作業時間の短縮や労力軽減が期待されています。
遠藤さんは、後継者の育成と耕作放棄地の発生防止を目的に、新たな稲作として同栽培に取り組んでいます。
実演会では、スガノ農機㈱の社員が35.4㌃の圃場を整地した後、遠藤さんが、苗立ちを早めるため事前に菌根菌資材「マイコス」を使用しコーティングした「天のつぶ」の種もみ17.7㌔を播種、鎮圧しました。鎮圧で種もみと土が密着することにより、発芽の安定や、雑草や鳥害抑制の効果があります。今後は雑草の成長が懸念されますが、ザルビオの生育システムを活用し、除草を行っていきます。生産目標は24俵(1俵60㌔)で、収穫は10月中旬を予定しています。
遠藤さんは、「節水型乾田直播により省力化を図り、稲作を魅力ある農業として後継者づくりに取り組んでいきたい」と話しました。
直播作業を視察した当JAの蒲生幸夫専務は「収量や食味の結果を確認し、管内での導入を検討していきたい」と話しました。